♪いらかの波とくもの波・・・ 5月が近づくと必ずどこかから流れてくる「鯉のぼり」の歌で、
大恥告白噺を一席、
問題は三番。ご存じのかた、どうぞ歌ってみてくださいマシ、
♪百瀬の滝を登りな・ば~たちまち龍に~なりぬ・べ・き~我・が・身に似~よ~や~
はい、その次、--なんて言ってます? このワタクシ、不覚にもごく最近まで、
”尾の小言”だと思っていたんです~!
♪我が身に似よや、尾の小言・・・
ああ、恥はじハジ。つまり--
「自分に似るのだぞ!」と鯉のぼりが、尾を振って、叱咤激励しているのだと。
誰をって?--そりゃ、その、「子ども全般」を、よと--。で、なンか怖ろしい二番だなあと(ほんとは三番なんだけど)。あンなものに、目をむかれ、尾でびしばし叩かれたら(!)まいるなあと・・・。
ところがインターネットは有難いもので、この前ふと、検索したら、ま~っさお! 正解は男の子(おのこご)、と。要するに、
百瀬の滝(巨大な滝)をのぼりつめると、一瞬にして龍に化身することになっている(中国の有名な伝説)この自分に似るのだぞ、ぼうずどもよ、ってことかいな! 自戒を込めて以下に全歌詞を:--
1.甍の波と雲の波 重なる波のなかぞらを 橘かをる朝風に 高く泳ぐや鯉のぼり
2.ひらける広きその口に 舟をも呑まむ さま見えて 豊かにふるふ 尾ひれには
物に動ぜぬ姿あり
3.百瀬の滝を登りなば たちまち龍になりぬべき 我が身に似よや 男の子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり
うーん、なるほど。よおおく、わかりました。主たる誤解のもとは「子ども全般」ですな。大正時代、「端午の節句」を迎える男の子の心情を鼓舞するために作られたこの歌(文部省唱歌)の対象に、女の子は
入っていなかった! まあ、もと女の子のわたしとしては、魚なんかになりたくもなし、入れてくれなくても、別にいいけどサ。それに今は「男の子だから、がんばりなさいよ!」という大人も少なくなったでしょう。時代は変わっていくもの。この歌が長年のあいだに、むかしの日本の上層部の変な思惑を、どこかできれいに脱ぎ捨て、さわやかな名曲として、楽しく歌いつがれるようになったことを、まずは言祝ぎたいと思います。
♪水筒をいつぱいにして子どもの日 好惠