大学1年の担任で、その後も長らく、
何かと温かいご指導を頂いた
石井晴一先生(青山学院大学名誉教授)が
1/24 ご急逝。訃報はいつもクラスの集まりの中心となってくれる
A君から携帯メールで。
先生には仏文法を教えて頂きましたが、1年生の最初の授業の日、
クラスをさっと見回すと、開口一番、一緒の高校から来た
Cちゃんとわたしを「おや、中学生が二人、迷い込んで
きてると思った」と!
石井先生はバルザック研究の大家で、あの難解な原文を
いともかろやかで流麗な日本語にして、読ませてくださいました。
後々翻訳者・文筆業者となったわたしが、担当本をお届けするたびに、
ほとんど児童書なのに、丁寧に読んでくださり、必ずお返事を
頂戴しました。
ご達筆で、いつだか、そのことを申し上げると、
「Yちゃん(←私のこと)、僕らの頃はねえ、
お習字の時間があったのよ」と。
ご著作もたくさん拝領しました。
先だっても、大作の『艶笑滑稽譚』が岩波文庫になったからと
ご恵贈に与り、心ばかりのお礼とお祝いにと、お菓子を少し
お届けしたところ、早速葉書を頂き、「文庫の3巻目が
もうすぐ出ます」とご機嫌よいお言葉を拝読したばかりだったのに。
人の命には限りがあり、寿命は天命というものだというのは
頭でわかっているものの――男性の78歳なんて、早すぎる!
深くご冥福をお祈り致します。